しあとるだいありー

えんどゅのブログ。9/12/2015~ シアトル大学に留学中

Hidden Homeless

こっちに来てから間もない頃、

アメリカ人の友人に

「アメリカでの一番のカルチャーショックは何?」

と聞かれたことがあった。

 

物価の高さとか食べ物とか寮生活とか日本との違いは色々あったけど、

考えるよりも先に

ホームレスがお金や食べ物を要求してくること。

と答えていた。

 

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シアトルに限らないと思うのだけど、

アメリカのホームレスは積極的に私たちに物やお金を乞うてくる。

ダンボールで作ったプラカードに必要なもの(food, moneyとか)を書いてアピールしているだけでなく、

歩み寄って、話しかけてくる。物をくれないか、交渉しにくる。

 

以前、昼間に友人と歩いていたら、ホームレスがやってきて、

「GIve me 2 dollers. I need to take a bus.」と言ってきた。

私はびっくりして、その場ですくんでしまったんだけど、

友人はすぐに財布を取り出して2ドルあげていた。

アメリカは日本と同じ先進国なのに?物乞いにお金をあげるのは、発展途上国でよく見る現状じゃないの?

カルチャーショックだった。

 

1ヶ月も経てばだんだん慣れてきて、

余ったご飯や小銭なんかは、乞われたら、すくまずに、あげられるようになった(進歩!笑)

 

そこで考えるのは日本のホームレスの現状。

どうして私、初めてホームレスが近寄ってきた時、すくんでしまったのだろう。

その問いへの答えとして、

「日本のホームレスは社会から隔離されているのでは?」

と考えるようになった。

 

夜中のコンビニやレストランで、売れ残りの商品をホームレスにあげていたり、

暗黙の了解となった社会のホームレス支援?制度は日本にも存在するかもしれない。

 

でも、個人として、ホームレスにお金やご飯をあげることはまずないし、

ホームレス自身から物を乞うてくることも、日本で過ごした21年間の人生で一度も遭遇したことがなかった。

 

そうして彼らと私のコミュニケーションは全く行われることなく、

私が暮らす社会とは全く異なる社会で暮らす人々ととして認識し、

無意識のうちに、

私はホームレスの存在を「見て見ぬ振り」するようになっていた。

新宿西口で並んで寝ている、毎年増える、ホームレスを、

見て見ぬ振りをしながら歩けるようにまでなってしまった。

 

 

 コミュニケーションがないと、想像力が失われて、

無意識のうちに差別感情が生まれる。

 

 

その点で、日本では、ホームレスとホームレスじゃない人の社会との間に、

大きな大きな壁があると感じる。 

 

 

 

 

 「世界から貧困をなくしたい!」と勇んで発展途上国に出向く四ツ谷の大学生。

でも彼らは、四ツ谷にいるホームレスをどのように捉えているのだろう。

何千キロも離れたところに行かなくても、すぐ目の前に貧困は存在しているのに。

それに私たちは気が付けない。

 

私はそれが大きな問題だと思うのだけど。 

みなさんはどう思いますか?

 

頭ぐるぐるの遠藤でした。