もうこの街はリベラルじゃないの?変わりつつあるシアトル
様々な企業が集まるシアトル。
企業のスタートアップも盛んで、習近平も来て、
アメリカの中でも最も注目されている都市の一つだと思う。
そんなシアトルの現状を、
あまり快く思っていない人がいた。
「昨日ワイフが泣きながら帰ってきたの。
クラブに行ったら、『レズビアンだから』という理由で警備員に入店拒否されたって。」
ある友人は、今日私にこう語った。
彼女がシアトルに越してきたのは4年前。
市長も同性愛者であるという、リベラルな土地柄で知られるシアトル。
同性愛者の彼女もパートナーと今年結婚し、幸せな生活を送っていた。
しかし、最近シアトルの様子が変わったという。
「私のワイフはシアトルに7年も住んでるのに、今まで同性愛者だからという理由で入店を断られたことなんてなかったのよ。今回が初めて。この町は変わっちゃった。」
(まだまだLGBTへの偏見が強い日本で生まれ育った私からしたら、
町中に虹のマークが掲げられて、
彼女が当たり前のように「ワイフ」の話をするのは
すごくすごくリベラルだと思っていたけれど、)
何がシアトルを変えてしまったのだろう。
彼女に聞いてみた。
面白かったのは
彼女が「シアトルにおけるアマゾンの拡大」を理由の一つに挙げていたこと。
現在ワシントン州でアマゾンに雇用されている人は約2万4千人。
2010年の雇用人数約5000人と比較すると、シアトルでアマゾンが急成長を遂げていることが分かる。
これはつまり、新しい人がどんどんシアトルに流れ込んでいるということ。
また、アマゾンが「Less Diversity」な企業として有名なことをご存知だろうか。
2014年6月にアマゾンが発表した人口統計グラフによると、
(http://www.amazon.com/b/ref=tb_surl_diversity/?node=10080092011#)
白人、圧倒的。
女性管理職、少ない。
(女性管理職30%が目標!なんて言ってる日本と比べたら多いかもしれないけど、アメリカ全体の女性管理職の割合が43.7%なのを考えると、やっぱり少ない。日本はとりあえずもっと頑張ろう。)
このLess Diersity な職場環境も、彼女がシアトルでのアマゾンの拡大を心配する一つの要素だ。
「リベラルな土地柄に全く馴染みのない人々がシアトルに流れ込み、
シアトルの雰囲気を変えている。」
彼女はそう語った。
人種マイノリティや、LGBTの人々の人権を守ってきたシアトル。
アジア人でも居心地よく暮らせる、
そんなリベラルな土地柄に私自身すごく救われている。
その一方で、アマゾンに限らず様々な企業が集まり、
人口増加が止まらない現状。
街の人気や企業の発展とともに新しい人々がやってくるのは仕方のないことかもしれないが、
マイノリティにとって居心地の良い環境は、これからも大事にしてほしいと思う今日この頃でした。